あけましておめでとうございます。
町民の皆さまにおかれましては、輝かしい新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
昨年はサッカーワールドカップカタール大会が開催され、日本代表の活躍に、多くの方が胸を熱くし、スポーツのすばらしさを改めて実感したのではないかと思います。アスリートの雄姿と会場を埋める観客の熱気から、スポーツが持つ根源的な求心力を実感することができました。
また、今年の春には、国民的アニメの劇場版「名探偵コナン 黒鉄(くろがね)の魚影(サブマリン)」が公開予定ですが、今回の物語の舞台は八丈島であるとのことです。観客動員700万人に迫るシリーズの最新作であり、アニメの求心力が八丈島に作用するのではないかと楽しみにしています。
今年は、町長として3期目の締めくくりの年となります。この間、新型コロナウイルス感染症対策など、これまでに経験したことのない対応が必要となる難しい時期でもありました。
コロナ禍による地域経済への影響を少しでも軽減するため、フェニックス・ロベレニー等に係る出荷販売経費の補助や漁業操業経費への補助を行ってきました。また、住民生活を支えたいとの思いから、水道料金の全額補助も行いました。これからも、町民の皆さまの生活を守るため、国や都などの関係機関と連携を密にし、経済対策などについても、遅滞なく行動に移せるよう実行していきます。
八丈町の最大の課題である人口減少についても、農業・漁業の振興を図るとともに、観光産業などの島内資源を結び、実効的な力を発揮できるよう、有機的な取り組みを意識してきました。コロナ禍でのリモートワーク(遠隔勤務)が日常的に行われる労働環境の変化は、都市部の人々の意識を大きく変えたように思います。地方としての八丈、離島としての八丈が、これまでとは違うイメージとして都市部の人々の目に映っているのを感じます。雇用の場の創出と定住化の推進は難しい課題ですが、訪れたくなる島から住みたくなる島への変化を目指していきます。
また、八丈町の基本構想では、「持続可能な開発目標」(SDGs)の視点を取り入れ、「ともに支えあうあたたかい町」を将来像として定めました。「住民が主役の町」「島を生かす町」「歴史と文化を生かす町」「クリーンアイランドを目指す町」の4 つの柱をまちづくりの基本方向として掲げ、豊かな地域社会の実現を目指しています。そして、これまでの手法では解決の難しかった課題についても、新しい技術や手段を用いた取り組みを行っていきます。
現在、八丈町が推進している「東京宝島 サステナブル・アイランド創造事業」で活用していくのが、データとデジタル技術を活用していくデジタルトランスフォーメーション(デジタル改革)の手法です。意欲的な公民共創の取り組みとして、東京都の支援を受けるこの事業では、新しい時代の行政手法を積極的に取り入れることで、様々な行政課題を解決していきます。
離島である事で得られる海・山の自然の恵みは、八丈町の大きな魅力です。自然の恵みを生かす農業、漁業は、町の基幹産業であり、いずれも後退させることのできない重要な産業です。後継者の育成・支援や必要な基盤整備を継続して行うとともに流通体制の整備を図り、生産力の向上と多角的展開の促進によりブランド化や商品開発を推進します。
また、豊かな自然と自然災害は、表裏一体の関係にあります。地球規模の気候変動によって、近年の災害は激甚化しており、生命・財産が失われる災害が多発しています。災害への備えは大きな課題であり、減災を意識しながら、防災計画を確認、改善し、防災態勢を更に充実させていきます。
新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受けた観光面についても、経済活性化施策を実施し、来島者の増加を図るとともにスポーツ交流事業などの支援を継続していくことが重要だと考えています。
健康維持のための運動などが減少している面もありますが、健康は私たちの生活を支える重要な要素です。特に、八丈町では元気に活躍する高齢者が多く、その存在は基幹産業を支える大きな柱になっています。これからも、健康で平穏な日常生活を送ることができるよう、必要な施策を、着実に推進していきます。
結びになりますが、新しい年を迎えるにあたり、八丈町の明るい未来を築くため、引き続き温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げるとともに、皆さまのご健康ご多幸をお祈りして、新年のご挨拶とさせていただきます。
令和5年1月
八丈町長 山 下 奉 也
この度の八丈町長選挙におきまして、多くの町民の皆様からご支持をいただき引き続き4期目となる町政の舵取りを務めさせていただくこととなりました。改めてその責任の重さを実感し、身の引き締まる思いであるとともに、決意を新たにしているところです。
人口減少、少子高齢化、厳しい財政状況など、町を取り巻く情勢は厳しさが増していますが、「安全で安心なまちづくり」の先頭に立ち、町民の皆様の暮らしを守り次の世代へと引き継いでいくため、様々な行政課題に取り組んでいきます。
これまでの3期12年での町政の取り組みにつきましては、町民の皆様のご支援とご協力を賜り、各分野において成果が出てきたと考えておりましたが、新型コロナウイルス感染症により、一次産業や観光業など多大な影響がありました。新型コロナウイルス感染症対策としましては、影響を受けた事業者の方々への支援や、経済対策として水道料金の補助を実施しました。
最も影響の大きかった観光業に関しては、コロナ禍前の観光客数に戻りつつあります。コロナ禍後の新しい島づくりのために職員と一緒になり取り組んでいきます。
まずは、地場産業の振興です。農業・漁業は古くから本町の経済を支えてきた基幹産業であり、将来にわたり維持発展させていくことが必要です。後継者対策として新規就業者への育成支援、農業・漁業の基盤整備支援、観光業では、八丈島の自然、食、文化、伝統など特色を活かした観光振興を進めていきます。
町民の皆様や、移住される方から求められる施策で重要なものとして少子化対策が挙げられます。子どもを産み、この島で育てたいと思ってもらえるような環境づくり、島での学びを通じて島の次世代を担う人づくりを進めていきます。
一方、町の高齢化率は40%であり、高齢者福祉の充実も大きな課題です。高齢者の方にいつまでも住み慣れた八丈島でいきいきと暮らしていただくために、健康づくりや介護予防、社会参加の促進など町民の皆様や関係機関と協働で取り組んでいきます。
また、全国各地において、これまでに予測できない自然災害が発生していますが、安心・安全なまちづくりを推進するため、東京都や関係機関と連携し防災対策に取り組んでいきます。
現在、東京宝島サステナブル・アイランド創造事業を進めていますが、医療・産業・教育など多方面におけるICTの利活用について促進していきます。
町民の皆様には、町政へのご支援ご協力を心からお願い申し上げまして、就任のご挨拶とさせていただきます。
八丈町長 山 下 奉 也
〒100-1498 東京都八丈島八丈町大賀郷2551番地2
八丈町 総務課庶務係
電話番号 04996-2-1121