平成30年度施政方針

八丈町長 山下奉也

八丈町長 山下奉也
平成30年3月1日(木) 第一回八丈町議会定例会

平成30年第一回八丈町議会定例会の開催にあたり、私の町政に関する所信の一端と施策の概要を申し上げ、
議員各位ならびに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 八丈町総合戦略「八丈町人口ビジョン、八丈町まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定より2年が経過しました。
 各施策の進捗を図るとともに、地域特性や可能性を生かした地方創生の取り組みに重点を置き、課題解決とさらなる成長のため、東京都との連携をこれまで以上に強いものにし、「未来へ躍進」する町づくりのため、全力を注いでまいります。
 工事期間中は、三根地域の方々にご不便をお掛けしておりましたが、待望の新三根公民館が、供用を開始いたします。地域の方々による町づくりの一助となることを期待するとともに、新たな防災拠点として活用いたします。
 昨年は、各地で自然災害が発生しましたが、八丈町においても、2週連続で接近した台風21号・22号により、農業をはじめとした大きな被害を受けました。
 多くの関係機関の協力をいただき実施しました、東京都との総合防災訓練においても、協力いただいた関係機関に感謝するとともに、あらためて自治体の危機管理態勢と、町民自らの日頃の心構えの大切さを実感し、さらなる防災連携の強化が必要であると再認識をいたしました。
 今後も安心・安全の確保に資する施策として、避難所となる施設へ飛散防止フィルムの施工を継続して行っていくほか、八丈町地域防災計画を基に防災・減災対応に努めてまいります。
 さて、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けてのカウントダウンは900日を切り、開催地としての受け入れ態勢の整備が急がれております。世界の人々を迎えるにあたり、来日する外国人観光客への対応が重要な課題であるとともに、八丈島の持つ魅力をアピールするチャンスでもあります。この機会を逃さないためにも、15年ぶりに国際交流員の招致を行い、リトアニアからの来訪者の受入やインバウンド対応を行ってまいります。
 さらに観光面については、実績が上がっておりますスポーツ交流事業を継続し効果的な集客を行うとともに、ザトウクジラの回遊に関しても基礎調査を継続し、新たな観光資源としての活用を見据えた取り組みに繋げてまいります。
 八丈町の財政事情は、厳しい状況が続いておりますが、行財政改革の歩みは継続させながら、島の未来に必要な施策については、積極的に事業展開を図ることも必要であります。

主要施策

特定有人国境離島事業

 昨年施行された有人国境離島特措法に基づき、関係機関協力のもと、課題であった航空運賃の低廉化を実現できました。今年度は、民間事業者等の創業・事業拡大による雇用拡充の支援、滞在型観光促進施策に取り組み、地域経済の活性化を目指してまいります。

国際交流員の任用

 15年ぶりとなる国際交流員を、リトアニア共和国から招致し、国際交流の推進、2020東京オリンピック・パラリンピックを見据えたインバウンド対応、小・中学生の国際理解教育を促進してまいります。
 本年11月には、リトアニア共和国音楽学校生徒一行の訪日が予定されており、八丈島での合唱コンサートやイベントを通じて町民との交流・親睦を深めてまいります。

島じまん2018

 今年は、2年に一度、東京・竹芝客船ターミナルで開催される伊豆諸島・小笠原諸島の共同イベント「東京愛らんどフェア島じまん」の開催年にあたります。伝統芸能の披露、特産品の販売など、島の魅力を発信し、交流人口の増加につなげます。

防災対応

 防災対策については、更新した八丈町地域防災計画を基に関係団体との連携強化を図ってまいります。
 土砂災害警戒区域の指定に向け、各地域において説明会を行います。また、本年の防災訓練は、10月5日に三根地域を対象として行います。

納税

 町税は、地域社会に密着した視点から提供する行政サービスの重要な財源です。納期限内納付の重要性を周知徹底し、税収の確保と納税秩序の維持に努めます。また、納税者間の公平性確保等のため、「適切な課税」及び「積極的な滞納整理」を実施してまいります。

窓口サービス

 個人番号カード制度の本格的運用が開始されました。更に各種行政申請に関する手続きの簡素化を実施するとともに、個人情報保護の観点から、本人確認の厳格化を維持し、適切な制度運用を図ってまいります。

国民健康保険・国民年金

 八丈町国保は、構造的に極めて厳しい状況の中、新制度の都道府県化がスタートするに伴い、国民健康保険制度の健全化のために、具体的な税改定を段階的に実施し持続可能な制度の構築を図ってまいります。
国民年金においては、制度の周知を図ってまいります。

環境衛生

 新クリーンセンターの建設に向け生活環境影響調査等のソフト事業に着手いたします。八丈町に合致した廃棄物の適正な処理を図り、廃棄物の排出抑制への啓発活動を引き続き実施してまいります。

生活排水処理

 八丈町の自然環境の保全と生活環境の向上のために、汚泥再生処理センターにおいて、汚泥や給食センター等から排出される生ごみを堆肥化し、資源のリサイクルを引続き実施してまいります。

保育園

 今後の坂下地域での0歳児保育実施準備として、むつみ第二保育園の改修工事を行ってまいります。また、保育園に勤務する保育補助員を対象とした資格取得のための補助(助成)制度を今年度も継続し、有資格者の確保に努めてまいります。

子ども家庭支援センター

 ニーズの高い、子どもの発達に関する相談業務を強化してまいります。子育て応援拠点として、第四土曜日の交流ひろば開放を継続して実施してまいります。
 保護者や関係機関の要望を取り入れた講演会を開催し、よりよい支援を目指してまいります。

高齢福祉

 高齢者が地域の中で、いつまでも元気で活動できるように、シルバー人材センターの運営や老人クラブの活動を支援します。また、町民の皆様に認知症を正しく理解してもらうための啓発に努めてまいります。

介護保険

 今年4月に介護保険料の改定を行います。高齢化率の上昇に伴い、65歳以上の方には、保険料の増額のご負担をお願いしなくてはなりませんので、ご理解ください。また、介護サービスについては、利用者や家族、関係機関と連携し適切に対応してまいります。

障がい福祉

 障がいのある方の新たな活動の場となる地域活動支援センターへの支援、1人での外出行動が困難な視覚・肢体障害の1級、2級の方及び知的障害1度、2度の方がタクシーを利用した際の助成を行ってまいります。

保健・健康増進事業

 島外の医療機関にかかる際の交通費の一部補助を継続することで、島外受診者の負担軽減を図ってまいります。また、がん治療など島外での継続した通院治療が必要な方の補助を年2回まで拡充してまいります。
 積極的ながん検診の受診アプローチと新たな健康管理に関する事業を検討し、町民の方の健康増進意識の高揚に努めてまいります。
 妊娠された方や子供たちの健康と発育を守るべく、健診や面談、予防接種等の相談を引き続き実施してまいります。

温泉事業

 町民の方の健康増進や観光資源に資する施設として、快適に利用できる施設運営に努めてまいります。
 また、老朽化したやすらぎの湯の浴槽改修工事を実施してまいります。

町営住宅

 町営住宅については、引き続き、老朽化した中道団地の建て替え事業としてF棟の建設を29年度、30 年度、G棟の建設を30年度、31年度の継続事業で行ってまいります。
 また、既存住宅については、計画的な改修と維持管理に努めてまいります。

土木事業

 国からの社会資本整備総合交付金事業においては、災害時に坂下と坂上を結ぶ避難用道路として、中道伊郷名線を道路改良事業で、継続して施行してまいります。
 市町村土木補助事業においては、藍ヶ江線ほか6路線を道路改良事業で、継続して施行してまいります。
 そのほか、町道各路線の適切な維持補修にも努め、地域住民の利便性、安全性、観光振興、産業振興に考慮しながら、道路整備事業に取り組んでまいります。

農業関連事業

 新たな農業従事者の確保と育成を目的とした「八丈町農業担い手育成研修センター」の更なる充実を図り、第4期研修生の受け入れなど、新規就農者への支援強化を進めてまいります。
 また、農地の斡旋・利用促進活動に積極的に取り組むほか、生産施設等の整備充実のための新たな事業計画を策定し、共撰共販体制の強化とアシタバ、八丈フルーツレモンなどの産地化の促進にも引き続き取り組んでまいります。
 農業生産の基盤である農道・水路等の整備は、中之郷安川農道を新規に着手し、農地防災として樫立登立地区水路を継続して整備いたします。
 また、三根河尻地区においては、水路及び農道の総合的な整備に向けた事業計画を進めてまいります。

観光・商工振興

 観光振興については、東京都、八丈島観光協会等と連携して効果的なPRを推進するとともに、昨年度好調だった団体集客事業に取り組み、観光誘客促進を目指してまいります。
 また、スポーツ交流では新たな事業としてトップアスリート合宿誘致の実現に向けて取り組んでまいります。
 商工の振興については、商工会が行う事業や伝統工芸品である「黄八丈」の事業にも、引き続き支援を行ってまいります。

水産業振興

 水産業振興は、新製氷貯氷施設の運用を開始し、漁業者の利便性の向上と活性化を図ります。既存の施設に関しては今年度解体を行ってまいります。
 後継者対策として、漁業担い手協議会を中心に新規就業者の育成・確保に努めてまいります。
 水産加工団体の安定的な組織運営を確保するため、専門家による経営指導や島外出前授業による魚食普及活動を進めるとともに、水産加工品の販路拡大と競争力のある新商品開発にも取り組んでまいります。

消防

 火災対応として、引き続き耐震性貯水槽の整備、増設を図り、町内市街地全域の水利確保に努めてまいります。
 また、各種災害に対応するため、消防職員、消防団員の教育訓練を実施するとともに各関係機関との協力体制強化を図ってまいります。

奨学資金制度・高校生ホームステイ事業

 大学等卒業後、八丈島内での就労を条件とする給付型奨学資金制度と従来からの貸付型奨学資金制度を推進することで経済面での支援を行うとともに、給付型奨学資金においては、島の次代を担う若い人たちの定着と活躍に期待を込め継続実施してまいります。
 昨年より受け入れを開始した都立八丈高校への高校生ホームステイ事業を継続し、学習環境の活性化を図ってまいります。

学校教育の充実・学校給食

 児童・生徒に「生き抜く力」を身に付けさせることを目標に平成30年度より小中一貫教育を実施してまいります。
 学校給食は、施設の整備を推進することで、衛生管理の充実を図り、安全・安心かつ栄養バランスのとれた給食の提供と地場産物を活用した食育への取り組みを継続してまいります。

生涯学習と文化・スポーツ振興

 建設が完了した新三根公民館の供用を開始するとともに、大賀郷、樫立、中之郷、末吉の各公民館、八丈町立図書館の管理・整備を行い、町民の学習活動やコミュニティ活動を支援することに努めてまいります。
 八丈島文化協会をはじめとする諸団体の芸術・文化活動の支援を実施し、町民が芸術・文化に親しみ、参加できる機会の充実を図ってまいります。
 歴史民俗資料館については、一時移転先での公開を進め、八丈島の歴史及び文化を発信していきます。
 併せて新歴史民俗資料館についても検討を重ねてまいります。
 スポーツ振興については、関係機関と連携し、スポーツに親しみやすい機会の充実を進めるとともに南原スポーツ公園施設、コミュニティセンター、体育施設の管理・整備に努め、利用者の利便性を図ってまいります。
 また、八丈島スポーツ親善大使の木場克己氏に協力を仰ぎ、八丈町内の子どもたちの運動能力向上に取り組んでまいります。

水道事業

 大川浄水場の改修についての計画を進めるとともに、老朽化した管路、施設の更新を行い、安全な水の供給に努めてまいります。

一般旅客自動車運送事業

 貸切バス事業については、更新予定の車両を前倒しで購入し、臨時的な増車により、好調な観光需要に対応してまいります。
 乗合バス事業については、効率的な運行の検討を行ってまいります。

病院事業

 病院事業については、離島における公立病院が果たす役割を踏まえ、島外医療機関との適切な連携と町民への安心・安全な医療の提供を行いながら、引き続き、医療従事者の確保等、医療環境の充実を図ってまいります。

おわりに

 以上、平成30年度の主な施策の概要について申し上げました。
 30 年度の各会計の予算額は、一般会計70億5800万円、特別会計25億3500万円、企業会計26億1300万円、合計で約122億であり、昨年度と比較しますと、予算総額で7.5%の減となっておりますが、三根公民館や製氷貯氷施設の事業終了に伴い減となっており、八丈町総合戦略の歩みを止めるものではありません。
 有人国境離島や国際交流員事業、新クリーンセンター建設事業や高規格救急車購入などをはじめ、産業振興に資する事業、子育てしやすい環境、次世代を担う子どもたちの教育の充実を図る施策を実施するための予算計上となっております。
 これらの施策を、着実に遂行することで、「未来へ躍進」する町づくりを確実なものとするため、町民の皆様のご理解のもと全力で取り組んでまいります。
 ここに、重ねて、議員各位ならびに町民の皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、施政方針といたします。

問い合わせ

〒100-1498 東京都八丈島八丈町大賀郷2551番地2
八丈町 総務課庶務係
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