平成29年度施政方針

八丈町長 山下奉也

八丈町長 山下奉也
平成29年3月1日(水) 第一回八丈町議会定例会

平成29年第一回八丈町議会定例会の開催にあたり、私の町政に関する所信の一端と施策の概要を申し上げ、
議員各位ならびに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 平成23年9月の八丈町長就任から、6年が経過しようとしています。本年も、大きな決意と情熱をもち「未来へ躍進」する町づくりのため、全力を注いでいきます。
 まち・ひと・しごと創生法の制定を受け、昨年「八丈町人口ビジョン、八丈町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定しました。未来への投資とも言える、重要な指針が示されたものと考えています。結婚から出産、子育てまでの切れ目のない支援や、都市部から地方へ移転しやすい環境づくりを掲げ、定住促進、雇用対策の強化と、将来を見据えた施策の実現に向けて取り組みます。
 また、ザトウクジラの回遊や有人国境離島法の施行など、地域振興に大きな可能性を感じさせる事象もあり、今後の取組み体制の強化や多彩な情報発信を促進していきます。
 28年度から東京海洋大学と協働で行なっているザトウクジラの調査では、多くの個体の来遊が確認されており、今後の調査の進展を期待しています。
 さて、現在、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けて、さまざまな調整が進められています。このスポーツに対する機運の高まりを的確にとらえ、地域振興に繋げていきます。
 また、次期開催地として、世界の人々をお迎えすることになり、来日する外国人観光客への対応も重要になってきます。「おじゃりやれ」の心で、八丈島の持つ魅力をアピールし、この島の持つ潜在的な可能性を引き出していきます。
 一方、昨年の熊本地震をはじめ、この数年は、各地で毎年のように大規模災害が発生しています。災害の報に触れるたびに、自然災害の恐ろしさを深く感じます。町民の生命、身体を守ることが行政運営の基本であり、今後も実効性のある災害対策に取り組みます。また、今年は東京都との合同総合防災訓練が行なわれます。多くの防災機関と協働することにより、防災連携を強化します。
 八丈町の財政事情は、厳しい状況のままですが、行財政改革を引き続き推進する一方、島の未来に必要な施策は、積極的に事業展開を図ることも必要であります。

主要施策

特定有人国境離島事業

 29年4月に施行される有人国境離島特措法のなかで、八丈島は、地域社会維持の上で居住環境整備が特に必要と認められる「特定有人国境離島地域」と定められています。本町では29年度より、東京都、航空会社とともに航空路運賃低廉化の実現を目指します。

移住定住促進

 移住定住のガイドブックやPR動画、求人情報サイトの充実などに取り組み、情報発信に努め、移住定住を促進します。

地域おこし協力隊

 地域おこし協力隊を、観光業、商工業、地方創生事業分野において採用し、地域協力活動などで活躍することで、地域力の維持・強化を図ります。

旧末吉小学校活用事業

 町民、島外者の交流や健康増進を促進し、地域の活性化を図るため、旧末吉小学校を「交流・研修施設」、「簡易宿泊施設」、「プール施設」として利用できる多目的交流施設として活用していきます。利活用策の一つである「熱中小学校」事業では、島内外の方に参加いただき、企業経営者や大学研究者による多彩な分野の授業を通じ、人材育成や島内外交流の活発化に取り組みます。

地熱発電利用事業

 24年度から検討を行ってきましたが、新たな地熱発電事業者の選定に至りました。今後は、町地域再生可能エネルギー基本条例に掲げる理念のもと、持続的に発展していく地域社会の実現に向け、地域に根ざした事業となるよう、事業者との連携を深め、事業実現に取り組みます。

防災対応

 災害の発生を止めることはできませんが、事前の対策で、被害を軽減させることはできます。合同総合防災訓練を活用し、災害発生時に迅速な対応がとれるよう、関係機関との連携強化を図ります。

納税

 町税は、地域社会に密着した視点から提供する行政サービスの重要な財源です。引き続き住民の皆様に納期内納付の重要性をご理解いただきながら、税収の確保と納税秩序の維持に努めます。

個人番号制度

 個人番号カードの交付受付を引続き実施するとともに、個人情報保護の観点より、本人確認の厳格化を推進することで適切な制度運用を図ります。

国民健康保険・国民年金

 八丈町国保は、構造的に極めて厳しい状況の中、負担軽減や減免制度を実施するとともに、30年度からの都道府県化に向けてのシステム改修に着手することにより、円滑な制度移行が図れるように取り組みます。
 国民年金においては、制度の周知を図ってまいります。

環境衛生

 36 年度の供用開始に向けて新クリーンセンター建設事業が本格的にスタートします。
 八丈町に合致した廃棄物の適正な処理を図るとともに、廃棄物の発生抑制への啓発活動を引き続き実施します。

生活排水処理

 八丈町の自然環境の保全と生活環境の向上のために、汚泥再生処理センターにおいて汚泥や給食センターなどから排出される生ごみを堆肥化し、資源のリサイクルを引き続き実施します。
 また、合併処理浄化槽の適正管理や普及率向上の啓発活動を図ります。

児童福祉

 保育ニーズに対応するため、2歳児の定員を拡大します。また、保育園に勤務する保育補助員を対象に、保育士資格の取得に対する補助制度を設け、更なる児童福祉の充実に努めます。
 子ども家庭支援センターについては、子育て応援の拠点として更なる充実に努めます。
 これまで、学童クラブでは、子育て支援員を養成・配置してきましたが、今後も、専門的な知識を修得した支援員を配置できるよう努め、学童クラブの質の向上を目指します。

生活支援

 軽減税率の導入を行うまでの間、所得の低い世帯へ、暫定的・臨時的な措置として行う臨時福祉給付金支給事務を円滑に執行します。

高齢福祉

 高齢者が地域の中で、いつまでも元気で活動できるように、シルバー人材センターの運営や老人クラブの活動を支援します。また、介護職員初任者研修養成講座を実施し介護職員の確保に努めます。

介護保険

 4月より予防給付の一部が地域支援事業に移行し、継続的に島内の資源を活用した新しい介護予防づくりに取り組みます。また、介護サービス利用者や家族が在宅で安心した生活が送れるよう関係機関と連携し適切に対応します。

障がい福祉

 利用者によりよいサービス提供を行うため、八丈島ロベの会で障害者サービス支援等利用計画の作成を実施します。
 今後も、障害者の方の意向などを勘案したサービス内容を把握し適切な対応に努めます。

保健・健康増進事業

 島外の医療機関にかかる際の交通費の一部補助を継続することで、島外受診者の負担軽減を図ります。また、積極的ながん検診の受診アプローチと新たな健康管理に関する事業を検討し、町民の健康増進意識の高揚に努めます。
 妊娠中の方や子供たちの健康と発育を守るため、健診や面談、予防接種などの相談を引き続き実施します。

温泉事業

 町民の方の健康増進や観光資源に資する施設として、快適に利用できる施設運営に努めます。また、利便性を高めるため、洞輪沢温泉浴室の改修工事を実施します。

土木・町営住宅事業

 国からの社会資本整備総合交付金事業においては、災害時に坂下と坂上を結ぶ避難用道路として、中道伊郷名線(通称防衛道路)を道路改良事業で、継続して施行します。
 市町村土木補助事業においては、樫立中之郷線ほか6路線を道路改良事業で、継続して施行します。
 そのほか、町道各路線の適切な維持補修にも努め、地域住民の利便性、安全性、観光振興、産業振興に考慮しながら、道路整備事業に取り組みます。
 町営住宅については、引き続き、老朽化した中道団地の建て替えを、30年度までの継続事業として行ないます。また、既存住宅については、計画的な改修と維持管理に努めます。

農業関連事業

 新たな農業従事者の確保と育成を目的とした「八丈町農業担い手育成研修センター」の更なる拡充を行い、第3期研修生の受け入れをはじめとした新規就農者への支援強化を図ります。
 また、生産施設などの整備充実のため、新たな事業計画を策定し、共選共販体制の強化とアシタバ・八丈フルーツレモンなどの産地化の促進、遊休農地対策に引き続き取り組みます。

観光・商工振興

 観光振興については、八丈島の魅力を国内外に広くPRするために観光PR動画を作成し、国内・海外からの観光誘致推進に取り組みます。また、スポーツ交流による取り組みを継続し効果的な集客を図ります。
 商工振興については、商工会が行う事業や伝統工芸品である「黄八丈」の事業についても、引き続き支援を行います。

水産業振興

 水産業振興については、老朽化に伴う製氷貯氷施設の整備を実施し、漁業者の利便性の向上と活性化を図ります。
 後継者対策として、漁業担い手協議会を中心に新規就業者の育成・確保に努めます。
 水産加工団体の安定的な組織運営を確保するため、専門家による経営指導や島外出前授業による魚食普及活動を進めるとともに、水産加工品の販路拡大と競争力のある新商品開発にも取り組みます。

消防

 火災対応として、引き続き耐震性貯水槽の増設整備を図り、市街地域の水利確保に努めます。また各種災害に対応するため、消防職員、消防団員の教育訓練をすすめ、各関係機関との協力体制強化を図ります。町民の意識向上を図るため、講習会や広報活動を行なうとともに、宿泊施設などにおける消防用設備の設置を推進します。

給付型奨学金・高校生ホームステイ事業

 28年度に創設した給付型と貸付型を選択できる奨学金制度を推進し、学校卒業後、島内での就労を条件とした給付型奨学金においては、島の未来を支える若い世代の定着化と経済面からの支援を実施します。
 また、島内での活躍を期待し、東京都内の中学生に八丈高等学校の受験資格を与え、ホームステイ先の確保と経済面の支援をすることで、将来の人材育成と定住促進に取り組みます。

学校教育の充実・学校給食

 従前より目標としてきた児童・生徒に「生きる力」を身に付けさせるために、小・中学校で行ってきた小中連携教育を、30年度を目途に小中一貫型教育に深化させていきます。
 学校給食は、衛生管理を万全に行い、安全・安心かつ栄養バランスのとれた給食の提供と食育推進の観点から地場産物を活用し、食に関する知識の向上を図ります。

生涯学習と文化・スポーツの振興

 町民の学習活動やコミュニティ活動を支援するため、八丈町コミュニティセンター、公民館など社会教育施設の管理・整備に努めます。また、三根公民館の建て替えは、30年4月の供用開始を目指します。八丈島文化協会をはじめとする諸団体の芸術・文化活動の支援を実施し、町民が芸術・文化に親しみ、参加できる機会の充実を図ります。
 島の歴史や文化の発信拠点である歴史民俗資料館の今後の在り方について、検討を重ね、課題解決に努めます。
 南原スポーツ公園施設、コミュニティセンター、体育施設の管理・整備に努め、利用者の利便性を図ります。

水道事業

 坂上地区簡易水道と坂下地区上水道を事業統合し、八丈町上水道事業としてスタートします。
 効率的、効果的に水道施設を管理運営するために、資産管理(アセットマネジメント)の導入を進め、今後の健全な水道事業を運営するための水道料金の改定を含めた資金調達の方法を検討します。

一般旅客自動車運送事業(バス事業)

 安心して利用できる交通機関として、老朽化した路線バスの代替購入を行い、地域住民の足としての役目を果たします。
 観光誘致活動を継続的に行い、観光客による貸切バスの収益増を目指します。

病院事業

 島しょ地域という限られた医療資源の中で、医療従事者の確保、機器の計画的な更新、診療や感染症対策など、医療環境の充実を図りながら、引き続き「町民から信頼、満足、地域に必要とされる病院」を目指します。

おわりに

 以上、29年度の主な施策の概要について、申し上げました。
 29年度の各会計の予算額は、一般会計77億5千万円、特別会計28億6千万円、企業会計25億8千万円、合計で、約132億円であり、前年度と比較しますと、予算総額で2%の増となりました。
 これらの施策を、着実に遂行することで「町民が主役の町づくり」を目指し、町民の皆様のご理解のもと全力で取り組みます。
 ここに、重ねて、議員各位ならびに町民の皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、施政方針といたします。

問い合わせ

〒100-1498 東京都八丈島八丈町大賀郷2551番地2
八丈町 総務課庶務係
電話番号 04996-2-1121