八丈島湯浜遺跡

八丈島湯浜遺跡

区分:都指定
指定年月日:S58.5.6
種別:史跡
員数等:―

解説:昭和37年、整地工事を行った際に大形の磨製石斧が採集され、遺跡の存在が知られるところとなりました。これを契機としてその後都や町を中心に数回にわたる発掘調査が行われ、2軒の竪穴住居跡が検出され、無文尖底土器、局部磨製石斧、打製石斧、石皿、磨石など多数の遺物が出土しました。これら出土遺物の、本州島とは異なる特異性も指摘されています。湯浜遺跡には縄文土器が伴わないため本州島との年代的関係は不明です。しかし縄文時代前期末~中期初頭の土器を出土した隣接の倉輪遺跡に堆積していた火山灰層と比較すると、湯浜遺跡の文化層はそれより下層であると判断されるので、倉輪遺跡の年代より古い時期に遡ることが確認できます。湯浜遺跡の調査成果から推測される文化には、竪穴住居に居住し神津島産の黒曜石が運ばれてきていることなどから、北伊豆諸島と伊豆半島を経由した本州島の縄文文化との密接な関連性がうかがえます。一方、石器類の特徴には遠く南方文化の影響も認められます。本州島と南方系の二系統の文化の関連があったことを示す、学術的に極めて貴重な遺跡です。
―東京都文化財情報データベースより―

備考:現在、遺跡の発掘跡などは埋め戻されており、ご覧になることができません。

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