昭和50年5月に旧東京都八丈支庁庁舎を利用し、開館して以来、八丈島の歴史・民俗資料を収集・保管・展示し、島の成り立ち、人々の暮らし、流人の歴史などの学習の場として利用されてきた八丈島歴史民俗資料館が、耐震性の不足が指摘され平成30年3月末で閉館することになりました
そこで、資料館を、移転・整備するための委員会を立ち上げ、その進め方について検討することになりました
委員の構成は、八丈町文化財専門委員会より2人、八丈町議会議員より3人、一般公募3人の合計8人です
委 員 長 伊藤 宏 (文化財専門委員会副委員長)
副委員長 奥山 幸子(八丈町議会議長)
委 員 林 薫 (文化財専門委員会委員長)
委 員 菊池 良 (八丈町議会議員)
委 員 岩崎 由美(八丈町議会議員)
委 員 歌川 真哉(一般公募)
委 員 細谷 昇司(一般公募)
委 員 青木 保憲(一般公募)
林氏:長期的な考えであれば、資料館と図書館の併設は、八丈島の歴史や文化を統合的、象徴的に表せる
また、併設することでコストを抑えることができる
現図書館の建物も老朽化で建替えが近づいているはずなので、一緒に考えてもいいのでは
極力時間がかからない方法がいいとは思っているが、様々な要素が含まれている
一番の問題は用地の取得で、町有地、都有地、民有地等幅広く考えられる
笹本氏:八丈島歴史民俗資料館基本計画に注目し、基本計画に則った形で、図書館と併設することで、新たなにぎわいの創造と観光面での利便性の向上が行える
併設などは他自治体でも実践している
歴史文化基本構想などの話もあるが、総合的に捉えられる施設に整備していけるといい
そういった視点で八丈島を見ることが必要
丸山氏:現在の建物に耐震構造を施し、資料館として活用していく
障害のある人の利用しやすい環境づくり、観光案内スペースの設置、情報収集の場の設定などを考慮し、資料館基本計画のB案、C案を再検討し、実施していく
奥山氏:現資料館の改修を考えていく
映像解説なども追加していくことを考えつつ、増築部を解体、改築していく
二階建てにすることで、二階部分を収蔵庫にしていく
時間的制限があることと、観光施設としての重要性から、このような結論を出した
歴史文化ゾーンとしても適地である
大里の陣屋跡も候補としては考えていたが、文化財的制限が厳しい
また、現資料館周辺や個人からの提供の場所などはあまり適地ではないと判断した
図書館の併設案は理想ではあるが、図書館については、現在地が病院やテニスコートなどがあり、福祉ゾーンとしてのまとまりがあり、適地であると判断した
併設には広い土地が必要となり、交渉などが難航する可能性が高い
旧末吉小学校が一時移転先として活用できれば、もっと時間をかけられるが、そういうわけにもいかないようなので、こういった結論に至った
伊藤氏:八丈町人口ビジョンを見ると、人口減少を緩やかにしていくこと、来島観光客数を増やすこと、次世代を担う若者の教育の充実として、図書館の充実があげられている
資料館などを積極的に整備し、学習環境(学校教育、図書館の充実等含)が充実することで、そこに期待する移住者が増えるのではないか、といったことも期待できる
資料館と図書館の併設、隣接によって八丈島の情報の入手が容易になる
伊豆諸島の情報センターの役割を担うこともできるのではないか
住民と来島社が触れ合う機会が増え、島の活性化につながることも期待できる
よって、資料館の整備は既存の建物に制約されず、次の70年を見越したまちづくり構想に基づき、以下のコンセプトで考える必要がある
・海に囲まれた豊かな自然と調和した建物
・八丈島の歴史文化を象徴し、町民の誇りとなるような建物
・子どもからお年寄りまであらゆる人にやさしい建物
・先進的なエネルギー政策に基づいた、地球にやさしい建物
また、財源の確保については、補助金などもあるので、将来への積極的な投資だということで、活用を検討していただきたい
現資料館の建物は、6つの部屋に区切られていて、系統的な展示には適さない
中を含めて、あの建物が好まれているので、保存をするならば、中も含めて使っていける道を探すことが大事
菊池氏:上位計画の八丈町基本構想・基本計画があり、その理念に基づき、平成24年度策定の八丈島歴史民俗資料館基本計画に基づいた整備を行うことが重要である
かつての八丈島を再現した展示があれば、教育や観光面での体験学習が容易にできるのではないか
歌川氏:観光業者の観点からすると、資料館という観光スポットが何年もなくなってしまうということが耐えられない
現建物を利用すれば、3年程度で改修が完了するはず
これを新たにどこか、鉄筋コンクリートの建物を建てる建てないとやっていると、10年くらいはかかってしまう
現状、歴史文化を感じさせやすいポイントにあるし、観光業者のルートにも組み込みやすい
エリア全体としての魅力と、短期間で整備ができること、建物自体にも魅力があるということで、現建物の改修をして早急に再オープンすることがいい
岩崎氏:町では、新しい建物は建てずに、既存施設を改修して使用するという案がある
必要なものは作らなければいけないが、陣屋跡が時間的な制約などから、現建物を再整備して資料館として活用していくことがベストだと考える
展示スペースや空調の問題もあるが、やり方は様々あるはず
図書館の併設については、そういったところはたくさんあるが、ゾーンニングとしては、役場周辺がいいのではないか
また、50年、70年後の子どものためにといった話もあったが、今から50年間で図書館は大幅に変わると思う
今の図書館をどうこう、というよりは、もう少し待つほうがいいのではないか
予算面からも、財源を圧迫しないようにしなくてはならない
これらの意見を元に、今後の委員会において、本移転地等を決めていくこととなりました
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八丈町 教育課生涯学習係
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