○八丈町台風及び地震等の災害予防に関する条例

昭和50年12月26日

条例第19号

八丈町は、昭和47年2月29日八丈島近海地震、昭和47年12月4日八丈島東方沖地震及び昭和50年10月5日突如として襲来した台風13号により、それぞれ甚大な被害を受けた。

近年、八丈町の建築物は、台風及び地震等による被害を被らなかつたことと、観光開発及び建築様式の近代化等により多層化又は開放的な構造となり、過去における歴史的な教訓を軽視する傾向を生じ、台風及び地震等の災害に対する防備が十分でなかつたことが指摘できる。

ここに町民と町は一体となつて、その英知と努力により、台風及び地震等による災害を未然に防止し、被害を最少限にくいとめることを期するものである。

(八丈町の基本的責務)

第1条 八丈町は、あらゆる施策を通じて、町民の生命、身体及び財産を台風及び地震等による災害(以下「災害」という。)から保護し、その安全を確保するため、最大の努力を払わなければならない。

2 町長は、前項の目的を達成するため、災害の予防に関する計画(以下「防災計画」という。)を作成し、その推進を図らなければならない。

3 町長は、前項の防災計画の作成及びその実施にあたつては、町民の意見を聞くことに努め、これを施策に反映するようにしなければならない。

(調査、研究及び技術の開発)

第2条 町長は、災害の発生原因、発生状況その他災害に関する事項について、調査及び研究を行なうとともに、防災技術の開発に努めなければならない。

2 町長は、前項の調査、研究及び技術の開発の成果に基づき、災害予防のための指導基準(以下「指導基準」という。)を定めなければならない。

3 町長は、第1項の調査及び研究等を行なうため必要があると認めるときは、専門委員を委嘱することができる。

4 専門委員は、当該専門の事項に関する調査及び研究が終了したときは、解任されるものとする。

(都市施設等の整備)

第3条 町長は、災害を予防し、その拡大を防止するため、都市施設(都市計画法(昭和43年法律第100号)第11条に定めるものをいう。)の耐震性、耐火性及び耐風圧性等の保持、避難場所の確保等施設の整備に努めなければならない。

(火災の防止)

第4条 町長は、災害による火災の発生及びその拡大を防止するため必要な施策を積極的に推進しなければならない。

(町民に対する指導及び助言)

第5条 町長は、災害の防止に関する事業(以下「防災事業」という。)の実施にあたつては、町民の協力を求めるとともに、町民が行なう災害防止のための自主的活動に対し、積極的に指導及び助言を行なわなければならない。

(他の地方公共団体等との協力)

第6条 町長は、防災計画及びその実施にあたり、他の地方公共団体その他の公共的団体等の協力が必要であると認めるときは、当該団体等に対して協力を要請し、又は他の地方公共団体から協力の要請があつたときは、これに応じなければならない。

(町民の基本的責務)

第7条 町民は、災害を防止するため、相互に協力するとともに、町が行なう防災事業に協力し、町民全体の生命、身体及び財産の安全の確保に努めなければならない。

(耐震性、耐火性及び耐風圧性等の配慮)

第8条 町民は、建築物その他の工作物を建設するときは、災害を防止するため、関係法規の遵守はもとより、指導基準を守る等耐震性、耐火性及び耐風圧性等について配慮しなければならない。

(事業者の責務)

第9条 事業者は、町長その他の行政機関が実施する防災事業に協力するとともに、事業活動にあたつては、その社会的責任を自覚し、災害を防止するため最大の努力を払わなければならない。

(設計者等の責務)

第10条 設計者又は工事施工者は、建築物その他の工作物を設計し、又は施工するにあたつては、災害を防止するため、耐震性、耐火性及び耐風圧性等について十分配慮しなければならない。

(防災措置の勧告)

第11条 町長は、台風又は地震等の発生により建築物その他の工作物の倒壊、飛散等災害が生じ、又は災害の拡大のおそれがあると認めるときは、当該建築物その他の工作物、土地又は土石、竹木その他の物件の所有者、管理者又は占有者に対して、防災措置をとることを勧告することができる。

(町民等による監視)

第12条 町民は、地域の安全性について常に監視し、台風又は地震等に対して危険性のあるものについて町長に意見を述べることができる。

(委任)

第13条 この条例の施行について必要な事項は、町長が定める。

この条例は、公布の日から施行する。

八丈町台風及び地震等の災害予防に関する条例

昭和50年12月26日 条例第19号

(昭和50年12月26日施行)